インプラント手術後の【アザ】【腫れ】【しびれ】の原因と対処法について

インプラント治療は、歯茎を切ってあごの骨にインプラントを埋め込む外科手術が必要です。ここでは、手術直後の症状の中で、Q&Aで多く相談のあった症状について取り上げました。どのような場合に起こる症状なのか、事前に知っておきましょう。

更新日:2020/01/09

インプラント手術後の【アザ】【腫れ】【しびれ】の原因と対処法について

■目次

  1. インプラント手術後の【アザ】について
  2. 顔にアザが出る原因
  3. アザが出た場合の対処法
  4. インプラント手術後の【腫れ】
  5. インプラント手術後の【しびれ】
  6. インプラント手術後に【話しにくくなる】
  7. 発音がしづらくなる原因
  8. 発音がしづらい場合の対処法
  9. インプラント手術後の【出血】
  10. インプラント手術後の【膿】
  11. 膿が出る原因
  12. 膿が出た場合の対処法
  13. 最後に
  14. 記事監修

インプラント手術後の【アザ】について

インプラント治療を行った付近の顔面の皮膚がアザ(皮下出血)のように黄色っぽく変色する場合があります。1-2週間程度で消えることがほとんどです。

顔にアザが出る原因

次のことが原因で起こっていることが考えられます。

・インプラント手術による内出血(インプラントを埋め入れる方向や顎の骨の移植など)

・健康状態の問題(血液をサラサラにする薬を服用しているなど)

*歯科医院では、インプラント手術前に問診や血液検査などで全身状態を確認しておくことが一般的です。

アザが出た場合の対処法

アザが現れた場合、基本的には特別な治療は行わず、そのほとんどは時間の経過とともに消失することを待つようです。しかし、アザの状態によっては、症状を緩和させるための治療を受けたり、新たなお薬を処方されることもあります。念のため歯科医師に連絡し、症状を伝えましょう。一度現れたアザはすぐには消えませんが、2週間程度で治る傾向にあります。

※ 腫れもある場合
水道水で濡らしたタオルなどで頬を冷やすことで、和らぐこともあります。しかし、氷や保冷剤など患部を冷やしすぎることは止めましょう。血行が悪くなり、悪化する可能性もあります。

インプラント手術後の【腫れ】

歯茎を切って骨を削っていますので、生体反応として腫れる可能性は高いです。手術後の夜に、多少高めの枕を使うと、楽になります。熱っぽく感じるときは、水で濡らしたタオルを皮膚に当てるくらいなら良いでしょう。

また、腫れてしまうと食事が摂りづらくなるので、おかゆ・うどん・飲むタイプの栄養調整食品などの、あまり噛まなくてもよい軟らかい食品を選びましょう。

インプラント手術後の【しびれ】

ごくまれなことではありますが、下あごの奥歯の外科手術後に、唇やあごにしびれを感じることがあります。
これは、下歯槽神経(下あご全体の皮膚や下唇の皮膚・粘膜、唇側の歯茎に関係している、下あごにある神経)を圧迫した場合や、傷つけてしまった場合に起こります。

症状が軽い場合は、神経を修復する薬(ATP製剤・ビタミンB12)を服用し、時間が経てば改善されることもあります。場合によっては、インプラント自体を取り除き、神経の問題や痛みの改善を専門とするペインクリニックへ通い、6ヶ月以上の通院が必要になることもあります。

インプラント手術後に【話しにくくなる】

インプラント治療をしたあとに、話しにくくなることがあります。新しい噛み合わせに慣れていないことが考えられますが、被せ物の形に問題が悪かったり、噛み合わせが悪かったりすることも原因になり得ます。歯科医院側は検査を行い、一時的なものなのか、噛み合わせの調整などの処置が必要なのかをきちんと見極める必要があります。

インプラント治療後に、発音がしづらく今までのように喋ることができない場合、どうすればいいのでしょうか?
考えられる原因、対処法、歯医者へ行くときのアドバイスについてご紹介します。

発音がしづらくなる原因

【インプラント手術後】
・ 埋め入れたインプラントの治りを優先させるため、仮歯の形態を一時的に変えている
・ 噛み合わせの不調和
・ お口の中の変化による一時的なもの

【インプラント治療が終わった後】

・ 上部構造(被せ物)の形態に問題がある
・ 噛み合わせの不調和
・ お口の中の変化による一時的なもの

注意点
インプラント治療は失った歯の機能や見た目を取り戻す方法ですが、その失った歯を完全に再現させる治療法ではないので理解しておきましょう。慣れる期間は人によって異なりますが、1~3ヶ月かかることもあります。

発音がしづらい場合の対処法

時間の経過とともに慣れることもあれば、何らかの処置が必要となることもあります。どういう言葉が発音しづらいということを、歯科医師に伝えておきましょう。状態によっては、お口のリハビリを受けたり、少しずつ微調整を繰り返したり、上部構造の大幅な形態修正をしたりすることもあります。

※ 顎の骨の量が少ないが、骨を造る手術を受けなかった場合
このような場合、失う前の歯とは異なる位置にインプラントを埋め入れることがあります。そうなると歯並びや噛み合わせが変わり、顎関節やその周りの筋肉、舌の動きなど様々なところに影響がみられ、話しづらい、歌いにくいなどということが起こることもあります。治療を受けてから改善できる程度は限られていますので、治療前に相談しておきましょう

インプラント手術後の【出血】

唾液が少し赤くなる程度の出血は問題ありませんが、黒っぽい血のかたまりが出てくる場合は、歯科医院へ連絡しましょう。
出血が気になる場合は、水で湿らせたガーゼ(なければテイッシュ)を丸めて10分間以上咬んで下さい。傷口が気になるかもしれませんが、しっかりと圧迫し続けなければ出血は止まりません。
また、口をゆすぐ際には、水を含んでそっと吐き出す程度にし、強いブクブクうがいは避けましょう。口のかさぶたが剥がれて、出血が長引く恐れがあります。

上あごのインプラントの手術を受けた方は、鼻血が出ることがあります。その際は、2~3日は強く鼻をかまないようにしましょう。鼻血が出たら歯科医院に連絡をし、どの程度の量が出ているか伝え、注意点を聞いておくことをお勧めします。

インプラント手術後の【膿】

膿が出る原因

インプラント手術直後でも、インプラント治療が終わった後でも、次のことが原因で起こっていることが考えられます。

1. インプラントと顎の骨の間に起こった細菌感染
2. インプラントの近くにある組織の細菌感染

膿が出た場合の対処法

できるだけ早めに歯科医院へ連絡し、状態をみてもらいましょう。放っておくと、炎症が強くなって腫れや痛みが現れたり、顎の骨とインプラントの結合に影響が生じたりすることもあります。炎症が拡大すると、顎の骨が吸収して(痩せて)しまいやすく、見た目や機能、その後の治療に影響を及ぼすこともあります。

すぐに受診できない場合は、可能な範囲でブラッシングやうがいなどをして、お口の中を清潔に保ちましょう。また、硬い食べ物や、刺激のある食べ物(辛い物、熱すぎる物)は避けるようにしましょう。刺激で痛みが生じたり、炎症が大きくなったりすることも考えられます。 

※ かかりつけ医にすぐに行けない場合
まずは、担当医に連絡し相談しましょう。連絡が取れない場合は、お近くのインプラント治療を行う歯科医院、または、各自治体で実施している休日や夜間の歯科診療所(※1)で相談してみましょう。状態によって、症状を緩和させるための応急処置を受けられる場合もあります。

(※1)連絡先や場所などについては、各自治体の歯科医師会か役所のホームページ、または各市町村が発行している新聞や冊子などに掲載されています。

最後に

外科手術後1週間~10日ぐらいは、誰しもがなんらかの違和感を少しもち、過ごされるようです。
傷口が気になるかもしれませんが、舌や指などでは触らないようにして過ごしましょう。触ったことにより、細菌感染を起こす場合があります。

もし、日常生活に支障をきたすような辛さがある場合は、決して我慢はせず歯科医院へ連絡しましょう。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事カテゴリ

①治療前にチェックしたい!インプラントの基礎知識

②安心してインプラント治療を進めるために

③インプラントとお金に関すること

④いろいろなインプラントの治療法

⑤インプラントの種類について

⑥インプラントと骨の関係性

⑧インプラントを長持ちさせるためのケア・メンテナンス

⑨インプラント治療に関わる専門家

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。