インプラント手術後のお手入れ方法 ―手術直後からその後

インプラントの外科手術を受けてから、その後までの基本的なお手入れ方法についてご紹介します。ここでご紹介することはあくまで参考程度にし、歯科医師や歯科衛生士の指示に従いましょう。

更新日:2021/12/02

インプラント手術後のお手入れ方法 ―手術直後からその後

■目次

  1. インプラントの外科手術直後から2日間のお手入れ方法
  2. インプラント手術後2~3日から抜糸までのお手入れ方法
  3. インプラント上部構造を装着するまで期間がある場合のお手入れ方法
  4. 仮歯やインプラント上部構造を装着した後のお手入れ方法
  5. 記事監修

インプラントの外科手術直後から2日間のお手入れ方法

インプラントの外科手術直後から2日間のお手入れ方法

【インプラントを埋め入れた部分】
指や舌の先で傷口を触らないようにしましょう。傷口は「血餅(けっぺい)」と呼ばれる血液の塊で覆われています。なお、血餅は傷口からの出血を止血する役割を果たします。血餅 を指先や歯ブラシで刺激すると、血餅が剥がれて傷の治りが遅くなることもあります。できるだけ刺激しないように気をつけましょう。
歯科医院によっては、とてもやわらかい歯ブラシ(軟毛ブラシ)での清掃を指導されることもあります。


【インプラント手術部 以外】
・ いつも通りに歯の表側、裏側、噛み合わせの面は歯ブラシ、歯と歯の間は歯間ブラシデンタルフロスで磨いて、清潔に保ちましょう。
・ 歯みがき粉、デンタルリンス、うがい薬の種類によっては、使用を制限する歯科医院もありますので、指示に沿って行いましょう。これらについて何も指導がない場合は、普段からお使いのものを使用しても問題ないと考えられますが、粒子の大きいものを含む(つぶつぶタイプの)歯みがき粉は、傷口に入り込んだり、傷つけたりする恐れがありますので、避けた方がよいでしょう。
・ 入れ歯を装着される方は、歯科医師の指示通りに使用し、外した際は義歯用歯ブラシで汚れを落としてから、水、または、洗浄剤につけて保管しましょう。

>>補助的清掃用具(デンタルフロス・歯間ブラシ)について
>>デンタルリンスの上手な活用方法

インプラント手術後2~3日から抜糸までのお手入れ方法

【インプラントを埋め入れた部分】
・ 基本的には触らないようにしましょう。うがいをしても出血しなくなったら、食後にブクブクうがいを開始し、縫った糸の周りに汚れを溜めないようにしましょう。
・ 手術後用の軟毛ブラシで清掃する場合は、指導に沿って行いましょう。

【手術部以外】
・ インプラント手術後から2日間までの歯磨きと同様で、いつも通りの歯磨きをしましょう。

インプラント上部構造を装着するまで期間がある場合のお手入れ方法

インプラント上部構造を装着するまで期間がある場合のお手入れ方法

■2回法を受けた方
インプラントは歯茎の中に埋まっている状態ですので、2次手術までその部分の清掃は不要となります。その他の部分は、いつも通りに磨くとよいでしょう。

■1回法を受けた方
アバットメントを保護するカバーが歯茎から出ている状態ですので、抜糸後は、インプラント部分以外のところと同様に歯ブラシで磨いて、汚れを溜めないようにしましょう。歯ブラシが届きにくい場合は、毛束の小さいワンタフトブラシを使うとよいでしょう。

>>歯ブラシ・歯磨き粉の選び方・上手な使い方

仮歯やインプラント上部構造を装着した後のお手入れ方法

仮歯やインプラント上部構造を装着した後のお手入れ方法

インプラント部分も手術部以外も、歯の表側、裏側、噛み合わせは歯ブラシで、歯と歯の間は歯間ブラシやデンタルフロスで磨いて、清潔に保ちましょう。
ブリッジタイプやAll-on-4(オールオンフォー)などのインプラント治療を受けた方は、ポンティック(歯茎の中に埋めたインプラントとつながっていない人工歯)と歯茎の間に汚れが溜まりやすくなるので、スーパーフロスを使うとよいでしょう。


歯ブラシで磨く代わりに、電動歯ブラシを使用してもよいでしょう。歯みがき粉を使用する場合は、電動歯ブラシ専用のものを選択するとよいでしょう。研磨剤を含む歯みがき粉は歯茎を傷つける恐れがあるほか、発泡剤を含むものは泡立って磨きづらくなる傾向があります。歯みがき粉選びに迷ったら、歯医者さんで相談すると良いかもしれません。

記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Nature系のジャーナルに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。