インプラントのトラブル ―CTを撮らないまま治療になりそう!

一般歯科治療で撮るような「パノラマレントゲン」で診察後、インプラントを埋め入れる手術日が決まったけれど、CTを使った検査を受けていない!このまま治療を進めて大丈夫なのか不安のある方に、対処法をご紹介します。

更新日:2019/10/01

■目次

  1. パノラマレントゲンとCTの違い
  2. <パノラマ>
  3. <CT>
  4. !ちょっと一言!
  5. CTを撮らないまま治療になりそうな場合の対処法
  6. ※「セカンドオピニオン」とは

パノラマレントゲンとCTの違い

パノラマレントゲンとCT、何が違うのかそれぞれの違いについて簡単にご紹介します。

>>インプラント治療で使用されるレントゲンの種類

<パノラマ>

<パノラマ>

鼻から下顎までのおおまかな全体像を、2次元(平面)画像で確認することができます。歯科治療をはじめる前に、歯や歯の周りの組織、顎の骨などの状態を一覧で把握したいときに撮影します。

<CT>

お口全体のあらゆる角度から骨の厚み・硬さ、神経や血管の走行位置などを、3次元(立体)画像で確認することができます。また、撮影したデータをパソコンへ移し、治療のシミュレーションができるソフトで診査・診断を行う歯科医師もなかにはいます。埋め入れるインプラントの長さや角度をあらかじめ決めることができるため、

・治療をより精度の良いものにする
・手術時間が短くなり、痛みや腫れ、出血などを少なくする

ことも期待できます。

>>歯科用CT

!ちょっと一言!

10年前以上前はCTを撮ることが少なく、パノラマ診査や触診、歯科医師の知識や経験などを元に判断してインプラントを埋め入れる手術が行われていました。CTで確認しなくても治療が成功し、その後も問題なく使い続けている方もおられますが、一部には手術中に神経や血管を損傷する事故に遭われてしまった方もおられました。近年では、このような医療事故を避け、長期的に安定した状態で使い続けられる治療を行うために、事前にCTを撮って精密な診査・診断を行う歯科医師が増えています。

CTを撮らないまま治療になりそうな場合の対処法

下記のようなことを歯科医師に相談しましょう。

・CT検査を受けないことで不安な気持ちになっていることを伝えましょう
・CTでの診査・診断が不要な理由を確認しましょう 
・どういう場合ならCTを撮ることが必要なのかを聞いてみましょう

このような質問をして歯科医師の治療方針を確認し、納得できなければ、ほかの歯科医師の意見を聞く「セカンドオピニオン(※)」を検討することも一つの手段です。

※「セカンドオピニオン」とは

よりよい決断をするために、主治医以外の歯科医師の意見を聞く、または意見を求めることをいいます。歯科医師によって見解が異なることは少なくありませんが、ほかの歯科医師の意見を聞くことは、納得して治療を受けるための有用な手段となるでしょう。ただし、新たな歯科へ行くとなるとさらに費用負担が増えることになりますので、依然として不安が消えない場合に検討されることをお勧めします。セカンドオピニオンを受ける際は、受診を希望される歯科医院に連絡し、必要書類の要・不要と、費用に関して事前に聞いておくとよいでしょう。
>>セカンドオピニオンのすすめ





歯科医師の知識や経験などからCTが不要と診断されることもあるでしょう。しかし、その歯科医師から治療を受けるかどうかを決めるのは患者様自身になります。後悔しないために、まずは担当の歯科医師とよく話し合って決断しましょう。

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記事監修

歯科医師 古川雄亮 先生
国立大学歯学部卒業後、大学院において歯のエナメル質の形成に関わる遺伝子研究を行い、アジア諸国で口腔衛生に関連する国際歯科活動にも従事した。歯学博士修了後、南米の外来・訪問歯科診療に参加した。 2019年10月10日Natureに研究論文「HIV感染患児における免疫細胞の数と口腔状態との関連性について」を公開。