Onzさんの相談
はじめまして。
右側の前歯1番を抜歯して骨造成をし、現在骨ができてきた状態です。インプラントを埋める予定です。
右側の前歯1番は、20代の頃に、揺れができ始め、歯槽骨が溶けて歯肉が下がってしまいました。隣の歯と固定していたのですが、このまま歯肉が下がったままなのも具合が悪いので、歯科医院を探して相談したところ、インプラントを勧められました。
骨造成が上手くいって、インプラントも可能とのことですが、問題は今まで固定していた左の歯にも揺れが出ていることです。
先生に相談したところ、右の歯がインプラントで独立して、左の歯も独立させた方が負担が少ないとのこと。どうしても必要な場合のみ、隣の歯とつなげるとのことです。
ご回答いただきたいのは次の2点です。
○インプラントが成功したとして、左の歯を独立させたあ場合、揺れを止めるものがなくなるので揺れがひどくならないでしょうか?
○左の歯を固定する必要がある場合、右のインプラントとくっつけることはできるのでしょうか?
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- しろくま歯科医院
- ( 福島県 郡山市 )
- 2022-02-07 18:27:00
まず、20代の頃から歯の動揺があって、歯槽骨の吸収と歯肉の退縮があったという事は、若年性歯周病もしくは、噛み合わせが悪かった事が予想出来ます。ただ、40歳を過ぎてから抜歯して、その後反対の左の歯にも動揺が出てきたということは、歯周病が原因で歯の動揺が出てきたのでは無く、下顎の前歯部の突き上げが原因で歯の動揺が出てきたと考えるべきと思います。
(右を抜歯した事により、咬合力が左前歯に集中したため)
歯には歯根膜というクッションがありますので、40歳まで歯を歯槽骨に留めておくことが出来ましたが、インプラントは直に骨と接触しており、歯根膜の様なクッション機構はありません。
そのため、下顎の突き上げがインプラントにおよぶと、自分の歯同様にインプラントに動揺が出てくるか、もしくは、下顎の噛み合わせの悪い歯に動揺が出てくるかが予想出来ます。
また、インプラントは非常に強固に骨と生着しまうので、力の逃げ道がなく、上顎の小臼歯辺りに、将来痛みが出てくるかもしれません(あくまで私の経験上です)。
私が主治医なら、安易に動揺のある箇所をインプラントにする前に噛み合わせの治療(矯正もしくはスプリント療法、咬合調整)等をしっかり行い、左の前歯の動きが無くなってからでもインプラント療法は控えた方が良いかもしれません。
またご質問にあった事ですが、歯根膜の無いインプラントと歯根膜のある天然歯は一緒に接着しない方が望ましいと思います。
わずかに揺れが許容されている天然歯と揺れが全く無い強固に骨とくっついているインプラントを一緒に固定する事は止めた方が無難だと考えます(インプラントとインプラントを一緒に固定する事は賛成です)。
インプラントと噛み合わせに関しては賛否両論ありますので、セカンドオピニオン等を積極的に行い、悔いの無い治療が出来ます事を祈っております。
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- Onz(43歳 女性 )
- 2022年02月07日20時04分
説明が分かりづらくすみません。まず、左の歯の動揺は、右の歯をぬいてからではなく、その以前からです。また、右の歯の歯槽骨は垂直的吸収で、噛み合わせも今まで指摘されたことはありませんので、若年性歯周病のようです。左の歯の方は水平的に吸収しています。この状態で、なにか所見はありますでしょうか?
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- しろくま歯科医院
- ( 福島県 郡山市 )
- 2022年02月08日06時59分
垂直的もしくは水平的骨吸収の起こりうる原因の一つとして、歯ぎしりや食いしばりといった、「力」が歯に作用していたと考えた方が自然だと思います。
食いしばり→歯根膜断裂→骨吸収→動揺
といった流れです。
歯周病の治療は継続されていた、もしくは丁寧なブラッシングは励行されていたでしょうから。
また、大変失礼な事を承知で書かせて頂ければ、「噛み合わせを指摘されなかった」ではなく、「噛み合わせを指摘出来なかった」のかも知れません。
全ての口腔内で起こっている事象をすべて歯周病と決めつける先生は多いです。残念ながら。
逆説的かも知れませんが、開咬といって前歯部が噛んでいない時も前歯部の動揺が出る場合があるのと、叢生(ガチャガチャとした前歯の並び)は前歯部の動揺が出やすいです。
ご参考になればと思います。
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- 医療法人 小幡歯科クリニック
- ( 京都府 京都市南区 )
- 2022-02-08 14:25:00
①右側の1番にインプラントで咬合機能させることにより左側の1番の負担を軽減させることができます。(咬合状態による)
歯周病に起因するものであれば不可
②基本的にはインプラントと天然歯はくっつけることはありませんが症例によっては行うこともあります。(私の持つ症例で30年近く問題なく機能している症例もあります)
いずれにせよ十分に納得したうえで治療をしてください。
場合によってはセカンドオピニオンを求められてもいいと思います。
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- Onz(43歳 女性 )
- 2022年02月09日18時31分
主治医の先生に確認していただき、噛み合わせは大丈夫とのことでしたが、慎重にインプラントを進めていきたいと思います。
右側の垂直的骨吸収に関して、矯正治療のワイヤーを付けている際にすでに歯周病になっており、その後何度か腫れ、神経も壊死しました。いくつか歯科医院にかかりましたが原因は分かりません。矯正で無理な力がかかりすぎたのかもしれません。いずれにしろ、気をつけて治療に臨みたいと思います。ありがとうございました。