タママさんの相談

カテゴリ:治療後のトラブル

味覚障害

11月に下顎の奥歯にインプラント術をした後から舌先に味覚障害があります。
違和感もあり、術後から主治医に相談したのですが、術後のCTでは大きな神経に触っていないので、様子を見て下さいといわれました。
いまたに、味覚や感覚の違和感があるのですが治るのでしょうか?

こんにちは
この質問は
まれにしか 起きませんが 実は 我々臨床家も 自問自答する 
深いものだと思います

舌尖部の 味覚は 顔面神経の枝 鼓索神経が支配しています
また 知覚は三叉神経の枝の神経となります

いずれも 下顎骨内に走行している神経ではないので
私は オペ時に 神経損傷のリスク因子とは 考えてはいません
ただ これは 歯槽頂以外は 下顎骨内にで オペレーションを終えるということが
大前提です
下顎骨は 舌側は 骨膜を深く剥離しすぎないこと
また 舌側の骨膜を損傷しないこと
ドリリングや 埋入で 舌側の骨を突き破らないことが
インプラントオペの重要な 約束ごとです

それには 下顎骨舌側の血管(オトガイ下動脈や舌下動脈)の走行もあり
これを損傷すれば 止血困難で 呼吸困難となるため 死亡事例もあるためです

そういう理由で 我々インプラント医は 下顎舌側は デンジャーゾーンとして
把握しており かなり 慎重に ここのエリア侵さないように 
しています

それより内側にある 鼓索神経を損傷する確率はさらにさがりますが 
こうした 最低限の安全ルールが守られてない 場合に起き得ます

CTで 舌側の骨のパーフォレーションが認められないなら
外科的 ダメージによる 味覚障害は起こる可能性は低く
また 起こったとしても 回復の可能性が高いでしょう

次に疑えるのは 注射針での神経損傷です
下顎伝達麻酔は 下顎に神経がはいる 下顎孔という部位で
神経ブロックするのですが 盲目的に このあたりに 局所麻酔薬を
浸潤させて行うのですが
注射針が 直接神経に当たることもあり
これにより 麻痺を生じる可能性はあります
これは 歯科医に瑕疵があるとはいい難く
軽度の損傷で 知覚回復に向かうことがほとんどです

尚 回復期に 知覚亢進の期間があることもあります

以上 回答とさせていただきます
  • タママ(49歳 女性 会社員 )
  • 2021年02月10日00時21分
コイケ歯科医院様、丁寧な回答ありがとうございました。
抜歯時、歯の根元が膨らんでおり穴を開け歯を抜きました。
そこにインプラントを埋め込みしたので、担当の先生も困惑しておられる様に感じました。
私なりに色々調べ、麻酔注射時によるものかもしれないと思っておりましたので、この回答を読み大変安心いたしました。
ありがとうございました。



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